kimi-panのブログ

小児アレルギー専門医が食物アレルギーを栄養学で治す事に挑戦している診察室

ビタミンA

ビタミンAとは一般的には動物性食品に含まれるレチノールのことをいいます。

また、植物性食品にはビタミンAの前段階であるプロビタミンAが含まれていて、体内でビタミンAに変化するためこちらも広義のビタミンAとして扱われています。プロビタミンAとして有名なのがβカロテンです。その他にαカロテン・βクリプトキサンチンなどがあります。

 

ビタミンAは皮膚・粘膜の免疫や回復に必要なビタミンです。乾燥肌やドライアイなどの人は不足している可能性があります。

 

一方で以前に記載しましたが、ビタミンAは脂溶性ビタミンなので欠乏だけでなく過剰摂取にも注意が必要です。 

 

ちなみに食品に含まれているビタミンAの量はレチノール活性当量(μgRAE/日)で表示されています。これは、下記のようにレチノールやカロテンから計算されたものです。

レチノール活性当量(μgRAE/日)=レチノール(μg)+1/12×βカロテン(μg)+1/24×αカロテン(μg)+1/24×βクリプトキサンチン(μg)+1/24×その他のプロビタミンAカルチノイド(μg)

こう見るとレチノールの量が1番重要だということがわかりますね!

 

子供の1日あたりの耐用上限量(摂取上限の目安)は下記の通りです。

0〜2歳:600μgRAE/日

3〜5歳:700μgRAE/日

6〜12歳:900〜1500μgRAE/日

12〜15歳:2100μgRAE/日

 

これには体格や個人の吸収率の違いがあるので、過剰症の症状(頭痛や吐き気や筋肉痛)が出る場合は医師に相談して下さい。また、胎児の奇形を起こす可能性があるので妊婦の方は取りすぎには注意が必要です。子供は上限量まで摂取したほうがいいと個人的には思います。

 

ビタミンAを多く含む食品は下記の通りです。

鳥レバー(100g):14000μgRAE/日

豚レバー(100g):13000μgRAE/日

うなぎ(100g):1500μgRAE/日

銀だら(100g):1500μgRAE/日

食塩不使用バター(100g):800μgRAE/日

にんじん(100g):720μgRAE/日

かぼちゃ(100g):330μgRAE/日

こう見るとレバー5〜10g摂れば、子供は十分のビタミンAを摂取できますね!!しかし、子供が食べやすい食材ではないと思いますので意識しないとなかなか摂取しにくいと思います。

ただし、連日レバーを摂取したりサプリメント(レチノイン酸)の過量内服はビタミンA過剰になる場合があるので注意です。

一方で、プロビタミンAからビタミンAへの変換は過剰にならないようにコントロールされているので緑黄色野菜は気にせず摂取しても大丈夫です。注意が必要なのはβカロテン単独のサプリメントです。βカロテン単独のサプリメント摂取には発癌性があるとの報告もあるので、あくまでも植物性食品の摂取によってのみ過剰にならないと考えてください。

 

意外と大事なビタミンAなのでしっかり意識して摂取しましょう。