kimi-panのブログ

小児アレルギー専門医が食物アレルギーを栄養学で治す事に挑戦している診察室

納豆アレルギー

大豆アレルギーの方はご存知かもしれませんが、大豆はアレルゲンの種類が多いので、食べられる大豆製品と食べられない大豆製品が大豆アレルギーの方々それぞれに違う事が多いです。しかし、発酵や長時間(4時間以上)加熱するとアレルギー性が下がると言われているので、醤油や味噌や納豆などは比較的安全に食べられると言われています。

 

それなのに納豆にだけアレルギーがある方々がいます。これは大豆アレルギーではなく、ポリガンマグルタミン酸(以下PGA)が原因だからです。PGAは納豆のネバネバした糸を引く白い部分の主な成分です!!だから、通常納豆アレルギーの人は大豆製品を食べられます。今回は納豆アレルギーについてお伝えします。

 

納豆アレルギーの特徴は2つあります!!

 

1つ目は、時間が経ってから症状が出現することです。IgE型の一般的な食物アレルギーは食物を摂取してから数分から長くても3時間以内に症状が出てきますが、納豆アレルギーは同じIgE型の食物アレルギーにも関わらず、納豆の摂取から半日程度(6〜12時間)後に症状が出てきます!!なので、原因として考えられる事が少ないです。

 

2つ目は、マリンスポーツ経験者に多いことです。特にサーフィンが報告された例の80%以上を占めています。これには、クラゲが関係しています。クラゲの触角の中でPGAが作られており、クラゲに刺されることでPGAが皮膚から体内に入ることで感作され(経皮感作)、その後納豆を食べることで食物アレルギーが発症すると考えられています。ただし、小児ではマリンスポーツをやっていなくても発症していることもあり感作経路が不明のこともあります。この理由としては、PGAは化粧品・健康食品・スポーツドリンク・紙おむつなどさまざまなものに含まれているので、知らずに感作されている可能性があるからです。

 

納豆アレルギーは診断が困難なため見逃されてる可能性もあるので、原因不明な食物アレルギーの場合は検討してもいいかもしれません!!

 

知りたいアレルギーのことがあれば、コメント頂けると助かります!!