kimi-panのブログ

小児アレルギー専門医が食物アレルギーを栄養学で治す事に挑戦している診察室

牛乳アレルギー

牛乳も3大アレルゲンの1つです!!

 

牛乳は、水分(87%)・タンパク質(3%)・脂肪(4%)・乳糖(5%)・ビタミンとミネラル(1%)くらいの割合でできています。

その中のタンパク質がカゼイン(80%)とαラクアルブミン・βラクグロブリンラクトフェリンなどのホエータンパク質(20%)に分けられます。

ちなみに、ホエーとは牛乳から脂肪とカゼインを取り除いたものをさすので、ホエータンパク質と水分と乳糖とビタミンとミネラルが含まれています。

 

牛乳アレルギーの大部分はカゼインという成分に対するアレルギーです。その他のαラクアルブミン、βラクグロブリンラクトフェリンなどの成分にアレルギーがあることもあります。

 

カゼインが厄介なのは、加熱で変化しないところです!!その他のαラクアルブミン、βラクグロブリンは加熱で変化するので、これらのアレルギーの場合は、ホットミルクにすると飲める可能性が高いです。また、バターにすると乳タンパク質の含有量が減ります。なので、牛乳1ml飲めれば、バター2gの摂取が可能です。さらに、バターから水分と乳タンパク質を除いたものが、ギー(ghee)といわれるピュアオイルです!!タンパク質はバターの1/5未満なので、牛乳1ml=バター2g=ギー約10gと考えられます。バター2gでは少ないよって保護者の方はギーをバター代わりにしてもいいかもしれません。ただし、クセは強いです😅

 

牛乳も卵アレルギーで記載した消化管アレルギーを起こします。卵よりも牛乳の方が起こす可能性が高いです。一般的なアレルギーの血液検査で数値が出ていなくてアレルギー症状が嘔吐や血便・下痢などの消化器症状だけの場合は消化管アレルギーと説明しています。消化管アレルギーは一般的なアレルギー検査ではわからないので、この病気を知らないとほっておかれる事もあります!!

 

どちらにしても3ヶ月から半年の時間おいてから、血液検査と経口負荷試験をして確認させてもらっています!!

 

離乳食で牛乳を開始した際に何か症状が出て悩んだ場合は小児科受診してください。