kimi-panのブログ

小児アレルギー専門医が食物アレルギーを栄養学で治す事に挑戦している診察室

2020-01-01から1年間の記事一覧

クリスマスプレゼント

10月上旬に栄養指導させてもらった9歳の男の子が12月25日に最高のプレゼントをくれました!!(内容は下記) 男の子:「プロテイン飲んでるよ!!それにアトピー性皮膚炎が今までで1番良くなっている!!」 男の子の母:「プロテインすごいですね!!」 私:…

足りてないことが多い項目

3ヶ月間担当させてもらっているアレルギーのある子供たち(特に食物アレルギー)の血液検査をしてみて、おおよその食事状態がわかってきました!! まず1番の問題点は炭水化物(糖質)の摂取が多いことです!!これは全員そうでした!!ご飯は美味しいので気…

牛乳アレルギー

牛乳も3大アレルゲンの1つです!! 牛乳は、水分(87%)・タンパク質(3%)・脂肪(4%)・乳糖(5%)・ビタミンとミネラル(1%)くらいの割合でできています。その中のタンパク質がカゼイン(80%)とαラクトアルブミン・βラクトグロブリン・ラクトフェリン…

嬉しかった事2

栄養指導をはじめてから3ヶ月が過ぎました。 子供の皮膚は1ヶ月で新しくなると言われています。だからと言って1ヶ月で栄養指導の効果がすぐ出るわけではなく、皮膚にも準備期間があるので、栄養指導を開始してからできた皮膚が表面に出てくるのには時間がか…

食物アレルギーへの対応

現時点で行われている一般的な食物アレルギーへの対応は大きく分けて下の2つだと個人的には思っています。 ①安全に摂取できる量を定期的に食べる。 ②皮膚状態を良くする。 この2つに加えて大学病院や専門病院などの研究施設では、経口免疫療法が行われてい…

いい例え

先日外来である保護者の方から、 「タンパク質ばっかり食べていいんですか?」 と質問されました。 「まずタンパク質を十分摂って欲しい」という気持ちが強すぎてしまい、保護者の方を逆に不安にさせてしまっていると思いました。 その瞬間こんな例えを言い…

亜鉛

亜鉛は200種類以上の代謝に関係していると言われています。 最近はコロナウイルス感染症で味覚障害が言われていますが、実は軽度の亜鉛欠乏でも味覚障害はでます!! 欧米では、鉄よりも亜鉛欠乏の方が問題になっているほど重要なミネラルです。なぜかという…

鉄は、ATPという生きるために必要なエネルギーを作る際に必要な栄養素です。また、赤血球や神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン)を作る際にも必要です!! 食物に含まれる鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。 ヘム鉄が含まれる食物の代表は下記です!! …

卵アレルギー

卵は3大アレルゲンの1つです!! 0〜6歳までに発症する食物アレルギーの中で、現時点では1番多いとされています!! 卵アレルギーの大部分は卵白成分に対するアレルギーと言われています!!実際に血液検査で卵黄にかなり高い数値が出ていても、経口負荷試…

ナッツ類

皆さんはナッツと聞くと何を思い浮かべますか? ピーナッツ・カシューナッツ・ヘーゼルナッツ・マカデミアナッツ・ブラジルナッツ・ココナッツ・ペカンナッツあたりでしょうか? ではまず、ナッツとはなんなのか? ナッツとは、『硬い皮や殻に覆われた食用の…

ビタミンE

ビタミンEは、8種類の物質の総称です。その中で1番活性が高いものがα-トコフェロールで、体内にも1番多くあります。 ビタミンEの働きで代表的なものは、抗酸化作用です。抗酸化作用とは、細胞や脂質などが酸化することを防ぐことです。あと、ビタミンBとCの…

ビタミンD

ビタミンDには、植物性のD2と動物性のD3があります。 ビタミンDの働きとして代表的なのは、骨を作る事と血液中のカルシウムとリンの濃度を高く維持する事です。 私は低身長の子や食物アレルギーの子には、ビタミンD不足の可能性もあるため、25OHビタミンDと…

アレルギー外来の流れ

私の普段の外来の流れを説明します。 まず下記の説明をします。 「人の体をつくる原料はタンパク質です。それを体を作る回路にいれる事で、色々な細胞や酵素などが作られます。なので、タンパク質の量が少ないと作られないものが出てきてしまいます。この作…

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンを作るのに必要なビタミンです。よくコラーゲンを含むサプリや食物を食べると肌がぷるんぷるんになると言われてますが、個人的にはビタミンCをたくさん摂った方がより良いのではないかと思ってます。もちろん原料となるタンパク質の摂…

嬉しかった事

栄養指導を始めて2ヶ月ほど経ちました。 外来で定期診察していた子から、「卵焼きたくさん食べてるよー!!」ってニコニコして言われ、私もニコニコしちゃいました。小児科医をやっていて良かったなーって思える瞬間でした。 その子の母親が「お母さんも一緒…

外来で気づいた事3

アレルギー専門医になって10年くらい経ちますが、今までは食物アレルギーがある子には、誤食には気をつけてとか、安全に食べられる量までは定期的に食べてとか、アレルギー食物についてのアドバイスだけしてました。 保護者の気持ちになると、間違って食べさ…

外来で気づいた事2

栄養指導を始めてから保護者の方からよく聞くのが、ご飯・パン・麺・お菓子はよく食べるということです。 これ自体は美味しいから仕方ないんです。私も休みの時はよく食べます。やはり美味しいです。ですから、以前にも書きましたが、白い糖質は最後に食べる…

ビタミンB6

ビタミンB6はほぼ全てのアミノ酸の代謝に補酵素として関与しています。 代表的なものに、タンパク質の分解や脂質の代謝や鉄の輸送に関係しているヘモグロビンの成分であるヘムの合成や肝酵素の合成やGABAの合成などがあります。 ビタミンB6の不足は一般的な…

ビタミンB1

ビタミンB1は、補酵素型のチアミンジリン酸(ThDP)として、グルコース代謝と分枝アミノ酸代謝などに関与しています。このビタミンB1は、糖質がエネルギーに変わるときに必要なビタミンです。 ビタミンB1は水溶性ビタミンなので耐容上限量は決められていませ…

ビタミンA

ビタミンAとは一般的には動物性食品に含まれるレチノールのことをいいます。 また、植物性食品にはビタミンAの前段階であるプロビタミンAが含まれていて、体内でビタミンAに変化するためこちらも広義のビタミンAとして扱われています。プロビタミンAとして有…

血液検査

アレルギーのある人は血液検査をする事があると思います。 私は自分が診させてもらっている子たちは半年から1年に1回は必ず血液検査を受けてもらっています。これは、食物アレルギーの子では食物経口負荷試験を安全にできるかを判断したり、気管支喘息の子で…

外来で気づいた事

外来で保護者の方々と食事について話すようになってから気がついた事があります。 それは、あまり栄養についてアドバイスされた経験がないって事です。 私自身も正直今まで栄養学について学ぼうとか栄養のアドバイスしようとか思った事がありませんでした。…

食べる順番

食べる内容については大まかに説明させてもらいましたので、今回は食べる順番について考えたいと思います。 まず1週間のタンパク質を摂取するためのオススメ食材についてです。 昼間は基本的に給食やお弁当のことが多いと思うので、下記の食材を朝食と夕食に…

ミネラル

次にミネラルです。 実はミネラルも体やエネルギーを作るための回路の潤滑油です!!ミネラルもないと、原料であるタンパク質や脂肪酸がいくらあっても効率よく体やエネルギーを作れません。なので、ビタミンとセットで考えてもいいですね! ミネラルは年齢…

ビタミン

次にビタミンです。 ビタミンは体やエネルギーを作るための回路の潤滑油です!!ビタミンがないと、原料であるタンパク質や脂肪酸がいくらあっても効率よく体やエネルギーを作れません。なので、ビタミンは積極的に摂りましょう! ビタミンには大きく分けて…

脂肪酸

次に脂肪酸です。 タンパク質が体をつくる原料なら、脂肪酸は体を動かすエネルギー源です。 エネルギー源というと糖質を思い浮かべる人が多いと思いますが、エネルギーをATP(アデノシン3リン酸)と考えると、脂肪酸は糖質のおおよそ3.4倍も多くATPを作れま…

タンパク質

今週のお題「好きなおやつ」 まずはタンパク質からです。 タンパク質は体の原料です。これが十分ないと他の栄養があっても体の調子はよくならないでしょう。 なぜなら、人間の体はだいたい水分60%(子供では70%)、タンパク質20%、脂質15%、ビタミン・ミネラ…

おすすめ栄養摂取法

私が個人的にオススメするのは下記の栄養摂取です。 高タンパク質+脂肪酸+多めのビタミン・ミネラル+水分1日2リットル(+少なめの茶色の炭水化物) それぞれをどの程度食べれば良いかは、年齢や体重や運動量によって変化するので、一概にこれくらいとは…

子供の栄養法

現在の日本だけでも本屋には色々な栄養本が並んでおり、インターネットも加えればとてつもない数の栄養法があります。今回は個人的に読んで納得できた栄養法について記載します。 各々の詳細はは今後説明していくので、今回は何をメインに摂ればいいかという…

プロローグ

ご覧いただきありがとうございます。小児アレルギーを専門にしている医師のドクターKです。 アレルギーをもつ子供達がより良くなり、笑顔になるために日々診療しています。 小児アレルギー外来では、食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギ…